展示作品

クワクボリョウタ
《風景と映像》 2016年

撮影:椎木静寧 写真提供:宇都宮美術館(2016年)

クワクボリョウタの《風景と映像》(2016)は、近年展示されてきた《10番目の感傷(点・線・面)》(2010)のリミックス版とも言える作品で、模型列車が”風景”を照らし出すという基本設計は共通している。本作で、2台の列車を光源として映し出される像は、別々に動きながら時に重なり、ダイナミックな映像として立ち現れる。「見る」こと自体を問う作品である。

<プロフィール>

アーティスト/情報科学芸術大学院大学 [IAMAS] 准教授/多摩美術大学情報デザイン学科非常勤講師。1996年、筑波大学大学院修士課程デザイン研究科総合造形修了の後、2001年、国際情報科学アカデミー (IAMAS)アート&ラボ科卒業。デジタルとアナログ、人間と機械、情報の送り手と受け手など、さまざまな境界線上で生じる事象をクローズアップする作品によって、《デバイス・アート》とも呼ばれる独自のスタイルを生み出した。2010年発表のインスタレーション《10番目の感傷(点・線・面)》以降は、観る人自身が内面で体験を紡ぎ出すような作品に着手している。その他の代表作に《ビデオバルブ》、《PLX》や、Sony CSLに開発参加した《ブロックジャム》、《ニコダマ》などがある。ソロ活動の傍ら、生活と実験のアートユニット、パーフェクトロンの一員としても活動している。

<受賞歴>

2013年:宇都宮エスペール賞
2012年:六甲ミーツ・アート大賞(《LOST#7》)
2011年:クメンタフィルム&ヴィデオ・フェスティバル入選
(《10番目の感傷(点・線・面)》)
六甲ミーツ・アート大賞(《LOST#3(組織観察)》)
芸術選奨新人賞
2010年:第14回メディア芸術祭 アート部門 優秀賞
(《10番目の感傷(点・線・面)》)
第14回メディア芸術祭 エンターテイメント部門 入選
(《ニコダマ》) 等多数

三原聡一郎
《 鈴》 2013年

三原聡一郎の[空白]のプロジェクト《 鈴》(2013)は、作品に内蔵された放射線センサーが感知した瞬間に鳴るガラスベルの音が主題となっている。ガラスドームの中に剥き出しのまま設置されている機構には、音を聴く体験を特別なものにする喚起力がある。

<プロフィール>

アーティスト。1980年、東京生まれ。音響を基軸に、常に世界に対して開かれた芸術としてのシステムを提示している。 2011年より、この社会を成立させるテクノロジーと「   」の関係性を考察するために「空白」をテーマにしたプロジェクトを国内外で展開中。 近年の主な個展に[空白に満ちた世界/world filled with blank/空白之界](2013、kunstraumbethanien, berlin/關渡美術館、台湾)、グループ展に「SOUNDART - sound is a medium of art」(2012、ZKM、ドイツ)、「OPEN SPACE2012」(2012、NTTICC、日本)、「Simple Interaction - soundart from japan」(2011、ロスキレ現代美術館、デンマーク)、「ISEARUHR2010」(2010、クンストヴェレインドルトムンド、ドイツ)等。

<受賞歴>

2015年:アルス・エレクトロニカ デジタルミュージック&サウンド
アート部門 入選(《 鈴》)
2013年:第17回メディア芸術祭 アート部門 優秀賞
(《「 」を超える為の余白》)
2012年:Tokyo Sonic Artaward 坂本龍一特別審査員賞
(《「 」を越えるための余白》)
2006年:アルス・エレクトロニカ インタラクティブアート部門入選
(《vexations》 毛利悠子+三原聡一郎) 他

菅野創
《形骸化する言語》 2016年 菅野創+やんツー

撮影:菊山義浩

菅野創の《形骸化する言語》(2016)は、人工知能によって、複数の人が書き記した文字の形状とパターンだけを学習し、意味をなさないが文字のように見える線を書き連ねていく作品である。文字とは本来、伝達や記録を目的とするが、その意味を読み取ることなく学習され生成される線には、それぞれの書き手の手癖の痕跡だけが浮かび上がる。

<プロフィール>

武蔵野美術大学造形学部デザイン情報学科 卒業。IAMASメディア表現研究科メディア表現専攻 修了。電子回路やプログラミングを用いて、フィジカルに体験することのできる音/音楽デバイスを制作している。歯車を組み合わせて音楽を演奏する作品《Jamming Gear》で2009年アルス・エレクトロニカにおいてデジタル・ミュージック部門オノラリー・メンション受賞。作品を用いてのライブや、キット化、ワークショップも行っている。

<受賞歴>

2015年:東京TDC賞2016 RGB賞
(《SEMI-SENSELESS DRAWING MODULES #2 – Letters》/ 菅野 創 + やんツー)
2015年:第1回高松メディアアートフェスティバル 優秀賞
(《SEMI-SENSELESS DRAWING MODULES #2 – Letters》/ 菅野 創 + やんツー)
2012年:第16回文化庁メディア芸術祭 アート部門 新人賞
(《SENSELESS DRAWING BOT》 / 菅野 創 / 山口 崇洋)
2009年:13回文化庁メディア芸術祭 アート部門 審査員推薦作品
(《Jamming Gear》/ 菅野 創 / 西郷 憲一郎) 他

山城大督
《HUMAN EMOTIONS/ヒューマン・エモーションズ》 2015年

山城大督の《HUMAN EMOTIONS/ヒューマン・エモーションズ》(2015)は、会期直前に山城が設定した空間に1歳と5歳と7歳の3人の子どもたちを登場させ、複数台のカメラで撮影した映像を同じ場で「再生可能な空間」として展示した映像インスタレーション作品である。この作品における「再生可能な空間」とは社会を模倣した空間と言えよう。人間が自我の芽生えや社会性を身につけていく過程でのコミュニケーションや感情のあり様を考えさせる作品である。

<プロフィール>

美術家・ドキュメント・コーディネーター・映像メディア研究者。1983年大阪生まれ。映像の時間概念を空間やプロジェクトへ展開し、その場でしか体験できない《時間》を作品として展開する。2007年よりアーティスト・コレクティブ 「Nadegata Instant Party (中崎透+山城大督+野田智子)」を結成し、他者を介入させ出来事そのものを作品とするプロジェクトを全国各地で発表している。2011年より京都造形芸術大学、2013年より明治学院大学 非常勤講師。第18回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品選出。主な個展に 『VIDERE DECK /イデア・デッキ』(2013、アサヒ・アートスクエア[東京])、グループ展に『あいちトリエンナーレ2013』(Nadegata Instant Party として、中部電力本町変電所跡地[愛知])がある。

<受賞歴>

2014年:第18回文化庁メディア芸術祭 アート部門 審査委員会推薦
作品(《VIDERE DECK》) 他

村山誠
《Lathyrus odoratus L..- top view –b》 2012年、《Sunflower -ⅰ- b》 2008年、《Botech Composition 1-MV》 2014年

村山誠の《Lathyrus odoratus L. - top view – b》、《Sunflower -ⅰ- bc》、《Botech Composition 1-MV》は、採取した花々のスケッチを重ね、自ら解剖した花の断片をルーペや顕微鏡で徹底的に観察した後、その構造をCG上でモデリングしていくことによって得られる植物のヴィジョンである。

<プロフィール>

アーティスト。1984年神奈川県生まれ。2007年宮城大学デザイン情報学科空間デザインコース卒業、2009年情報科学芸術大学院大学[IAMAS]メディア表現研究科修了。3Dモデリングソフトウェアを駆使し、植物のやわらかく有機的な形態を建築図面のような精緻なスケッチへと描き出すことで生み出される複合的なイメージを作品としている。芸術と科学の境界への眼差しや、建築的領域、コンピュータと植物に関する知識などを踏まえて活動する中で、現代に植物図譜の新たな可能性を開くとともに、工学における図面の美的な可能性に対して注意を向けている。

<展示歴>

2016年:Macoto Murayama: growth and form, D’Arcy Thompson Zoology Museum, Dundee
2015年:KOSMOS, Botanic Garden and Botanical Museum, Berlin
2014年:Botech Compositions, Metal Culture at Edge Hill Station, Liverpool
2011年:Inorganic flora, Frantic Gallery, Tokyo

<受賞歴>

Asia Digital Art Award

石塚千晃
《Portrait of Daucus carota》 2015年

石塚千晃は《The Portrait of daucus carota》(2015)において、「野菜のニンジン」、その野生化した姿としての「ノラニンジン」、そして自然環境では存在し得ないニンジンのある姿を組織培養によって現前させた「細胞塊(カルス)」の形態観察を行っている。人間の経済的・美的価値観を決定づけているもの、自然と人工の境界を問う。

<プロフィール>

アーティスト、1987年横浜生まれ。2010年多摩美術大学情報デザイン学科卒業後、2015年情報科学芸術大学院大学[IAMAS]修了。早稲田大学生命美学プラットフォームmetaPhorest所属。バイオファブコミュニティのマネジメントを行うかたわら、生物と人間の相互的関係性が歴史の中でどのように影響し、関連するのかを可視化する方法を探求し、社会に現れつつあるパターンや表現型の裏にある人間の根源的な欲望をテーマに制作を行う。

<展示歴>

2016年:「EEC / ECO EXPANDED CITY」, WRO Art Center(ポーランド)
2015年:「樹のいのち、画家のまなざし」, 北九州市立美術館
2015年:「metaPhorest:バイオメディアアートの今日的試み」, 東京理科大学
2014年:「マテリアライジング展Ⅱ 情報と物質とそのあいだ」, 東京藝術大学大学美術館 陳列館
2014年:「metaPhorest: バイオメディアアート、生命美学の世界」, パシフィコ横浜 展示ホール
2010年:「多摩美術大学卒業優秀作品展」, 多摩美術大学 情報棟ギャラリー
2008年:「i am Media Art」, ZAIM

<受賞歴>

2015年:第21回学生CGコンテスト アート部門 審査員賞(四方幸子選出)
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