Sustainable Project Laforet × Okayama Denim

環境、資源、エネルギーなどの社会問題が取り立てられる昨今、ファッション業界でも自然環境に配慮したサステナブルな取組みが注目を集めています。
Sustainable(サステナブル)とは、「持続可能な(社会や環境にやさしいこと)」。
地球環境汚染への影響が強いと言われるファッション業界において、サステナブルなことは何か。大量の廃棄物、生産過程で生じる汚染水や二酸化炭素の排出量、毛や皮などの動物殺処分も問題視されています。
そんななか、多くの企業がリユースやリサイクルなどに積極的な姿勢を見せています。
そこで今回、ラフォーレ原宿は岡山県と協力し、デニム工場から出る廃材に新たな命を吹き込み、再生させるプロジェクトを実施。
ファッション専門教育機関エスモード東京校の学生が岡山デニムの廃材をアップサイクルして制作した約100点のファッションアイテムを販売するPOP UP SHOP「La Boutique ESMOD」ほか、館内の約20店舗で岡山デニムの廃材を使った一点物商品の展示や販売、ノベルティを展開します。

染め・織り

デニムの原材料は綿花。

綿花を紡績して糸になり、紡いだ糸を染めるところからデニムの製造ははじまります。まずは「染色」。ロープ状に束ねられた糸は、染色液の入った槽を通過し、ローラーで絞られ、空気に触れる工程を何回も繰り返します。この際、糸の表面のみが染色され、中心部分は白く染め残るため、デニム特有の「色落ち」ができます。そして「織布」。デニムは「さんいち(3:1)の綾」と言われ、3本の経(たて)糸に対して、1本の緯(よこ)糸を打ち込むことで、デニム生地は出来上がります。今は製造されていない旧式の力織機(シャトル織機)を使って織られたヴィンテージデニムは、表面がゴツゴツざらざらし、綿の個性が生きたふくらみのある生地に仕上がります。オートメーションだけでは生み出せない、職人の熟練された技術と感性があってこそ、岡山デニムは完成するのです。仕上げは「整理加工」。生地表面の毛羽を焼き取る毛焼きや、ねじれを防止するためのスキュー加工、洗いによる縮みを防止するためのサンフォライズ加工などを施していきます。こうした工程を経て、はじめてデニムの反物が出来上がり、縫製工場へと旅立っていくのです。

裁断・縫製

炭鉱のための頑丈な衣類からはじまった。

1848年、カルフォルニアで金が発見されると、世界各地から金の採掘で一攫千金を狙おうと人が押し寄せたゴールドラッシュ時代。「炭鉱のための頑丈な衣類」を作ることからジーンズの歴史ははじまりました。そのため、破れにくくするための巻き縫いや、リベットを使った補強は、歴史が生んだジーンズの特徴です。デニム生地を丈夫なジーンズ(製品)に縫製することこそ、ジーンズの定義と言っても過言ではありません。裁断、縫製の前には、生地を無駄なく使用するための配反(生地にパターンを配置すること)を行います。通称「赤ミミ」と呼ばれるセルビッチデニムは、生地の端を糸でほつれ止めし、端まで使えるように生まれたもの。身頃、ポケット、ヨーク、ループなどに裁断したパーツは、部位により、様々な縫製技術が必要です。そのため、多くのミシンを使い分けながら、職人の熟練の技によって1本のジーンズへと変化していきます。ジーンズは経年変化して価値の下がらないと言われる衣類。当て布や補強を繰り返し、直しながら永く愛され価値の上がっていくものもあります。言うなれば、デニムは、究極のサステナブルウェアなのかもしれません。

洗い・加工

岡山で生まれた、洗い加工という技術。

日本が生んだ、洗い加工して販売するという技術。はじめて日本でジーンズを製造販売した頃、古着の柔らかいジーンズしか穿いたことがなかった日本人に、バリバリにノリのついたジーンズは全く売れませんでした。そこで生まれたのが、洗い加工であえて中古感を出すという技術です。今では当たり前になっているダメージ加工も、こうした歴史があって生まれたのです。一般的によく見る薄いブルーのストーンウォッシュ。名前の通り石を入れて洗うことで、履き込んだ風合いを出す加工技術です。80年代に一世を風靡したケミカルウォッシュは、軽石とブリーチ剤を一緒に使用することでよりハードな加工感を表現したもの。ヴィンテージブームを受けて出来たヒゲ加工やシェービング加工、レーザー光線によってダメージ感や柄を表現する加工など、様々な技術があります。ジーンズ1本を作るのに使う水の量は、約2,000ガロン(お風呂に換算すると約180回分)と言われています。水質汚染物質を取り除いた工場排水は川へ流され、汚泥は園芸や畑のたい肥に再利用されています。こうした生産過程で行われていることを知ること、そして、そうして作られたものを大切にすることもまた、私たちのサステナブルな一歩なのかもしれません。

岡山県とデニム

江戸時代の綿花栽培をルーツに、足袋や学生服など、時代の要請に応じて作る品目を変えながら、繊維産業を発展させてきた岡山県。1965年、学生服などの製造で培った縫製技術を転用し、国内ではじめてジーンズを生産したことから、「国産ジーンズ発祥の地」として知られています。それから50年余り、当初はアメリカから輸入した生地で生産するところからはじまり、新品のジーンズをあえて中古にして売るという「洗い加工」を生み出すなど、国内屈指のデニム産地に発展しました。そして、岡山で作られるこだわりの詰まったデニムは、その確かな技術と品質が高く評価され、国内はもとより世界中の名だたるブランドからも多く採用されています。今では、廃材の再利用をはじめ、水の使用量削減や汚染物質の資源化などサステナブルな取組にも積極的です。地球や人にやさしいものづくりから生まれる岡山デニムのカタチは、今なお進化を遂げています。

協力:岡山県 / クロキ株式会社 / 株式会社ベティスミス / 豊和株式会社

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